オリンパスは2021年1月をもって映像事業を日本産業パートナーズ(新会社:OMデジタルソリューションズ)へ譲渡しました。
そして現在、新製品からは「OLYMPUS」のロゴが消滅し、「OM SYSTEM」へとブランドが完全に移行しています。
つまり、カシオと同様に**「OLYMPUS」と刻印されたカメラは、この世に存在するすべての個体が実質的なディスコン(生産終了)**なのです。歴史の幕が下りたブランドのロゴ。これほど我々ディスコンハンターの血を滾(たぎ)らせる条件はありません。
そんなオリンパスが、まだコンデジ市場で狂気じみた情熱を燃やしていた頃に生み出した、「全域F2.8・換算300mm」のオーパーツ的コンデジをハントしましょう。
_kataochiオリンパス、お前もかぁ〜
消滅した「OLYMPUS」ロゴが放つ、最後の輝き





2021年、一つの時代が終わりました。
医療機器に注力するオリンパス本体から映像事業が切り離され、私たちが愛した「OLYMPUS」のロゴは、現在「OM SYSTEM」へと置き換わっています。
つまり、ボディに「OLYMPUS」と刻まれたカメラは、もはや新たに製造されることのない**完全なる歴史的遺物(ディスコン)**となったのです。
今回、データアナリストの私 _kataochi がハント対象に選んだのは、オリンパスが2015年に放ったプレミアムコンデジ**「STYLUS 1s(スタイラス・ワン・エス)」。
一見すると小型のミラーレス一眼(OM-D)に見えますが、レンズは交換できません。その代わり、現代の技術をもってしても再現困難な「狂気の特化スペック」**が詰め込まれています。
なぜ発売から10年以上が経過した今、このコンデジが中古市場でプレ値に近い相場を維持しているのか。
その変態的なロジックを暴きます。
1. 【SPEC分析】換算300mmを「F2.8通し」で撃ち抜く暴力


まずは、STYLUS 1sの核となるスペックを見てみましょう。
現代のスマホや、1インチセンサーの高級コンデジが束になっても敵わない「ある一点」に特化しています。
| OLYMPUS STYLUS 1s (2015) 基本スペック | |
|---|---|
| 焦点距離 (35mm換算) | 28mm – 300mm (光学10.7倍ズーム) |
| 開放F値 | 全域 F2.8 固定 (i.ZUIKO DIGITAL) |
| イメージセンサー | 1/1.7型 裏面照射型CMOS (約1200万画素) |
| ファインダー (EVF) | 内蔵型 高精細144万ドット |
| 手ブレ補正 | レンズシフト式 (VCM) |
| サイズ (幅×高さ×奥行) | 116.2 × 87.0 × 56.5mm (※沈胴時) |
| 質量 (バッテリー等含む) | 約402g |
スペックからの考察:「全域F2.8」という異常性
カメラに少しでも詳しい人なら、**「300mmの望遠をF2.8の明るさで撮れる」**ということがどれほど異常か理解できるはずです。
一眼レフで「サンニッパ(300mm F2.8)」と呼ばれるレンズを買おうとすれば、大砲のようなサイズと数十万円の出費を覚悟しなければなりません。
STYLUS 1sは、センサーサイズを「1/1.7型」というコンデジサイズに抑え込むことで、この大口径レンズを奥行きわずか56.5mmのボディに収納しました。
2. 「ミニ OM-D」としての完璧なプロダクトデザイン


STYLUS 1sの魅力は、スペック表の数字だけではありません。
電源を入れると、別売りの自動開閉キャップ(LC-51A)がメカニカルに開き、ぶっ太い鏡筒がせり出してきます。
- ファインダー内蔵: 晴天時の屋外でも視認性を失わない、144万ドットのEVFを標準搭載。
- コントロールリング: レンズ根本のリングで、絞りや露出を直感的に操作可能。
- OM-Dの血統: ペンタプリズム部(風の出っ張り)を持つ、カメラらしいクラシカルな造形。
単なる「便利なズームカメラ」ではなく、操作する喜びに満ちた「道具」としての完成度が、ディスコン後の今もマニアの心を掴んで離しません。
3. 価格推移と市場データ:なぜ値崩れしないのか?
2015年に発売されたコンデジであれば、通常は二束三文で取引されるのが市場の摂理です。



しかし、STYLUS 1sは違います。
- 発売当時の実売価格: 約65,000円前後。
- 現在(2026年)の中古相場: 状態の良い個体で40,000円〜55,000円。
実に発売から11年が経過しているにもかかわらず、**「価値がほとんど落ちていない」**のです。
理由は極めてロジカルです。
現代の高級コンデジは「1インチセンサー」が主流となりましたが、1インチで300mm F2.8を実現しようとすると、ソニーのRX10シリーズのような巨大なボディになってしまいます。
「手のひらサイズで300mm F2.8」というニッチな需要を満たすカメラは、後にも先にもこの「STYLUS 1(無印および1s)」しか存在しないからです。





今はリーズナブルに感じるな。。。
結論:「OLYMPUS」のロゴと共に、この光学兵器を保護せよ
高画質な広角写真を撮りたいなら、最新のiPhoneで十分です。
しかし、動物園のフェンス越しに動物の瞳を狙うとき。あるいは、夕暮れのスタジアムで選手の表情を切り取るとき。
STYLUS 1sの「300mm F2.8」というスペックは、いまだに現役のハイエンド機を凌駕する威力を発揮します。
状態の良いSTYLUS 1sは、まさに防湿庫に保護すべき**「オーパーツ(時代錯誤の遺物)」**と言えるでしょう。
💡 編集後記(_kataochiの独り言)
ちなみに、無印の「STYLUS 1(2013年発売)」と「1s(2015年発売)」はハードウェア的にはほぼ同一で、無印もファームウェアアップデートで1s相当になります。
中古市場でハントする際は、外装の綺麗な「無印」を安く仕入れてアップデートするのも、アナリスト的な賢い立ち回りです。



こちらはSTYLUS-1S。新品見つけるの難しいかな











